摩擦摩耗試験機の選び方

摩擦摩耗試験機には様々な種類があります。当サイトでは種類や試験方法等を具体例をあげてご紹介します。


摩擦摩耗試験機には、様々な種類があり、適用範囲や試験条件などによって1,600種類以上の種類に分類できます。
この記事では、摩擦摩耗試験機の分類方法と選定のポイントについて解説していきます。

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摩擦摩耗試験機の生い立ち

レオナルド・ダ・ビンチが実験に使用した試験機のスケッチが、現存する試験機の最も古いモデルです(下図参照)。
板の上に同じ形、同じ重量の直方体が、接触する面の位置だけを変えて置かれていて、引っ張るための棒が付いている単純な試験機です。

ダ・ビンチは、これらの直方体を等速で引っ張るための力がいつも同じであることを発見しました。


20世紀に入り、バウデン・レーベン試験機が発明されて、モーター駆動の移動テーブルと歪みゲージを利用した摩擦力測定部が使用されるようになりました。

バウデン・レーベン試験機によって、静摩擦、動摩擦が測定できるようになりました。

摩擦摩耗試験機の種類

HEIDONの商品も含めて、バウデン型の流れを組む装置は多数あります。加えて、今日ではバウデン型から派生して様々な分類の試験機が生まれています。
摩擦摩耗試験機を分類するときには、以下の分類が用いられます。

運動方式
荷重範囲
荷重方法
状態
温度範囲
測定センサー
測定環境

運動方式

摩擦摩耗試験機の分類として最も一般的なのが、運動方式による分類です。

ピンオンプレート
ピンオンディスク
ブロックオンリング
ブロックシリンダ
スラストカラー
クロスシリンダ
2球試験
4球試験
ドラム回転 など

荷重範囲

試験機の分類を考える上で重要な項目として、運動形式の他に垂直荷重の範囲もあります。簡単に分類すると上記のように分類されます。

1g以下の試験機微小荷重試験機・マイクロトライボロジー
数g~数kgの試験機低荷重試験機
数十kgの試験機中荷重試験機
100kg以上の試験機高荷重試験機

荷重方法

摩擦摩耗試験機の荷重方法としては、錘による荷重(主に手動)、移動分銅の制御(自動)、電子荷重(自動)などがあります。

状態

状態による分類方法もあります。状態別として、乾燥摩擦専用機(DRY)、液中試験兼用機(WET)のほか、真空中での摩擦を実施できる試験機などに分類できます。

温度範囲

温度範囲によっても分類されます。常温のほかには、マイナス温度低温(~200℃)、中温(~600℃)、高温(~1000℃)などがあります。

測定センサー

測定部として設置してあるセンサー類の種類によっても分類できます。主に使用される測定センサーとして、荷重変換器トルクメータ変位計温度計湿度計電気抵抗値(電流)、CCD画像AEセンサーなどがあります。

測定環境

測定環境による分類もあります。温度と湿度を一定に保つ恒温恒湿で実施するものと、常温常湿で実施するものがあります。

上記のような項目の組み合わせで試験機の分類・種類が決まってきます。センサーと測定環境の項目を除いても、単純に1,620通りの分類分けになります。


HEIDONの試験機は、主力機種だと16種類の分類をカバー、全機種を合計すると720種類の分類をカバーしています。

摩擦摩耗試験機を選定するポイント

摩擦摩耗試験機を選定する際には、使用目的が重要となります。、使用目的は段階別に分けられ、大きくは以下の流れになります。

基礎研究 ⇒ 製品開発 ⇒ 生産技術 ⇒ 品質管理

一般的に、基礎研究や製品開発の段階では、比較的精度が高く、多様な条件に対応できる高スペックのものが要求されます。生産技術の段階では、多様な荷重や速度条件への対応が必要になってきます。逆に品質管理段階では、簡易的な機能を持つ試験機が好まれます。

基礎研究段階
摩擦摩耗試験機を使用し、テストピース状のサンプルの加速試験基礎データを測定し、サンプルの絞り込みを行う。(例:開発品100個あるサンプルの候補を10個に絞り込む)
製品開発段階
テストピース状のサンプルを実機条件に近い試験機に掛けて確認試験を行う。(例:10個のサンプルを2~3個に更に絞り込む
生産技術段階
製品形状にサンプルを作製し、実機にて確認試験を行う。(例:製品化するサンプル1個を確定する)

当初から実機そのものや、実機に近い条件で試験を行うと膨大な時間がかかるほか、データも荒く繊細な差が確認できないため、サンプルの絞り込みができずに終わってしまいます。したがって、テストピース状での基礎的な試験が、基礎研究や製品開発においては重要な役割を占めていることになります。

「HEIDON」は基礎研究や製品開発場面に適した

摩擦摩耗試験機を多数ご用意しています。

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