据置型の小型撹拌機【選び方のポイント】課題・用途別まとめ

撹拌機を使う際の課題や用途は様々です。

この記事では、その課題や用途ごとにおすすめの撹拌機を紹介していきます。

課題・用途別のおすすめ撹拌機

主な課題や用途別に、おすすめの撹拌機をまとめました。

できる限り幅広い用途に対応したい

幅広い用途に対応した場合は、モータ出力80W程度のハイパワータイプがおすすめです。 ハイパワータイプだと、トルクと回転数の調整幅を広くとれるので、比較的高粘度の液体から低粘度の液体まで対応できるようになります。

低粘度の液体を撹拌したい

低粘度の液体を撹拌したい場合は、モータ出力40W程度のスタンダードタイプがおすすめです。

スタンダードタイプは、トルクが不足してしまうため高粘度の撹拌には向いていませんが、導入費用を安く抑えることができます。 将来的にも高粘度の液体を撹拌する予定がないのであれば、スタンダードタイプを導入しておけば十分です。

高粘度の液体を撹拌したい

高粘度の液体を撹拌したい場合は、モータ出力120W程度の高粘度タイプがおすすめです。 高粘度タイプは、高いモータ出力から大きなトルクを生み出すことができるので、高粘度の液体を撹拌するときにもしっかりと撹拌させることができます。

撹拌時間を少しでも短縮したい

撹拌時間を少しでも短縮したいのであれば、回転数の高いタイプを選択するようにしましょう。

一般的には、回転数を大きくすればするほど、撹拌の時間を短縮することができます。 例えば、HEIDONには以下の種類がありますが、より回転数の出せるタイプを選ぶ方が撹拌時間に対しては有利です。

回転数 [rpm]ハイパワー80W [N/m]
5~3002.6
10~6001.3
20~12000.7
50~30000.2
※ HEIDON BLhシリーズの場合

ただし、撹拌翼のタイプによって撹拌のスピードが変わってくるので、撹拌翼の選定にも注意が必要です。

混ざり切らないのをなくしたい

混ざりきらないのをなくしたい場合も、回転数の高いタイプがおすすめです。

混合の度合いは、どれだけのスピードで撹拌できたかに依存するところがあるので、回転数が大きいほど有利です。

混ざり具合も撹拌翼のタイプによって異なるので、撹拌翼の選定に注意が必要です。

大きな容器で液体を撹拌させたい

大きな容器を使って撹拌したい場合は、モータ出力の大きな高粘度タイプがおすすめです。 高いモータ出力を持つ高粘度タイプは、50L程度の大容量の液体を撹拌させるのにも適したタイプになっています。

電源がないところで撹拌させたい

電源がない場所で撹拌するなら、エアモータ撹拌機がおすすめです。 エアモータ撹拌機は、電気部品を一切使用しないので、電気がないところでの撹拌にも使用できます。

防爆エリアで撹拌したい

防爆エリアで撹拌したい場合は、エアモータ撹拌機か、耐圧防爆撹拌機がおすすめです。
危険場所1、2の場合はエアーモータと違い回転制御が簡単な電気式の耐圧防爆撹拌機が便利です。

課題・用途でポイントになるのは、モータ出力と回転数

課題や用途を軸にして選定する際にポイントになるのは、モータの出力と回転数です。

出力を選ぶポイント

モータ出力は大きいほど、高いトルクを出せるようになっています。

例えば、80Wのハイパワータイプと、40Wのハイパワータイプでは、トルクは以下の表のように異なってきます。

回転数 [rpm]高粘度タイプ[N/m]ハイパワー80W [N/m]スタンダード40W [N/m]
5~3004.52.61.3
10~6002.21.30.7
20~12001.20.70.3
50~30000.40.20.1
※ HEIDON スリーワンモータの場合

また、モータの出力が大きければ大きいほど、撹拌する液体容量を大きくすることができます。

以下の図は、モータ出力と、撹拌できる液体容量のおおよその関係性を示しています。

出力と撹拌する液体の容量の目安

回転数による違い

回転数に関しては、一般的には粘度の高いものには低回転数の撹拌機を、粘度の低いものには高回転数の撹拌機を使用します。

回転数 [rpm]対応できる粘度 [mPa・s]
5~30010000以上まで対応可能
10~60010000以下
20~12002000以下
50~300010以下
※ 回転数と対応できる粘度の関係

以下の図は、回転数ごとに適した粘度を表現していて、さらにその粘度を身近なもので示したものです。

10mPa・s以下は水、10mPa・sはウスタ-ソースに相当、2000mPa・sはトンカツソースに相当、10000mPa・sはマヨネーズに相当、10000mPa・s以上の粘度になると水飴やマスタードに相当します。

実際の活用事例

出力と回転数ごとの実際の用途を以下の図にまとめました。

パワーと回転数ごとの実際の用途(例)

インクや塗料、化粧品の乳液などを撹拌する場合は、モータ出力が小さく、回転数の高いタイプが使われます。

マヨネーズのような粘度の高い液体を撹拌する場合や、接着剤、軟膏、セメントなどの高粘度液体を撹拌する場合には、モータ出力が大きく、回転数の低いタイプが使われます。

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