通常の据置型の小型撹拌機は、モータ部分の防爆処理が不十分なため、防爆エリアにおいては、使うことができません。
しかし、特殊な技術によって作られた防爆撹拌機なら、防爆エリアでも使用できるようになるのです。
この記事では、防爆タイプの小型撹拌機について解説していきます。
モータ | 攪拌機 | 主なメリット | 主なデメリット |
---|---|---|---|
電気駆動 | 汎用タイプ | 最もお手頃な価格 | 高粘度や大容量に対応できない |
〃 | ハイパワー 汎用タイプ | 低粘度~高粘度まで、容器の大きさも幅広く対応できる | 実用場面でのデメリットは少ない |
〃 | 大容量タイプ | 大容量・高粘度に対応可能 | 標準撹拌機の中では価格が高い |
電気駆動(耐圧防爆) | 防爆撹拌機 | 防爆エリアでも安心・安全に使える | 非防爆に比べて高価になる |
エアー駆動 | エアモータ撹拌機 | 電気設備なしで使える 防爆エリアで使用可能 | エア設備も含めると最も高価になる |
防爆エリアで撹拌機を導入する際の問題点
これまで防爆エリアで小型撹拌機を使用する場合、以下2つの手段がありました。
・エアモータ撹拌機
・防爆対応した汎用大型電気モータを使用した特注の撹拌機
しかし、これらの手段には、課題もありました。
エアモータ撹拌機の問題点
エアモータ撹拌機のメリットは、電気設備をしようとしないことです。
通常の電気モータ式だと、引火の恐れがある防爆エリアでは利用できませんが、エアモータ式は引火の恐れがある電気を使用しないので、防爆エリアでも安心して使えます。
一方で、次のようなデメリットがあります。
・エア源が必要になる
・騒音が大きい
1つめのデメリットが、エア源、つまりエアを供給するための専用設備が必要になることです。
エア供給設備と本体の費用を考えると、合計費用は約100万円です。
電気モータに比べると、エアモータは駆動騒音が大きいことも課題です。
防爆対応した特注撹拌機の問題点
防爆対応した特注撹拌機のメリットは、電気設備をそのまま使って防爆エリアでも利用できることです。
モータ自体に防爆対応がしてあるので、防爆エリアでの引火の心配がありません。
一方で、次のようなデメリットがあります。
・モータに合わせてシャフトや治具が特注になる
・モータが大きすぎて実験室には不向き
防爆対応のモータは、撹拌機用に作られたものではないので、撹拌機として使う場合シャフトや治具などが全て特注になります。
費用は、選定するモータによっても変わってきますが、約80万円はかかるでしょう。 しかも、特注なので、故障があったときのアフター対応にも心配な点が残ります。
既存の2つの手段を比較すると、次のようになります。
耐圧防爆撹拌機のメリット・デメリット
これまでは、上記のような解決策しかなかった防爆エリアでの利用に対して、新たな解決策として生まれたのが、防爆対応した小型電気モータを使用した耐圧防爆撹拌機(以下、防爆撹拌機)です。
耐圧防爆構造をとっているので、ゾーン1、ゾーン2に該当する防爆エリアで、追加設備や特注対応なしでそのまま利用したい方におすすめです。
防爆撹拌機のメリット
防爆撹拌機のメリットは、大きく3つあります。
導入コストが安い
エアモータ式や特注撹拌機に比べて導入コストをおさえられることです。
エアモータ式に比べて手軽で多機能
エアモータ式に比べて手軽なところも魅力です。
エアモータ式だと、オイルによる定期的なメンテナンスが必要になりますが、防爆撹拌機だとそのようなメンテナンスは不要です。
また、回転調整をしたり、様々な粘度に対応したり、正転・逆転の動きができるのも電気モータで動く防爆撹拌機だからこそできることです。
手軽で安心
防爆撹拌機は小型モータで防爆対応しているので、小さな実験室でもそのまま利用できます。
防爆撹拌機のデメリット
防爆撹拌機の唯一のデメリットは、価格が“通常の小型撹拌機よりは”高くなってしまうことです。
しかし、これまでは防爆エリアで使えるオプションが、エアモータ式の導入か、特注品での対応という高価な解決策しかなかったことを考えると、通常の小型撹拌機よりも値段が高いことは大きなデメリットではないでしょう。
HEDONの防爆撹拌機は、以下のような製品を使用するユーザーに特におすすめです。
- 石油製品を使用するユーザー
- 塗料を使用するユーザー
- 合成樹脂を使用するユーザー
- 有機溶剤を使用するユーザー
- 化学薬品を使用するユーザー
- アルコールを使用するユーザー
- 危険場所で撹拌機を使用するユーザー
これらのユーザーは、ゾーン1、ゾーン2に該当する可能性が高いからです。
実際に利用した人から、以下のような声を頂いています。
“今までのスリーワンモータと同じように使用でき、耐圧防爆で安心して使用できる。”(石炭・石油会社様)
“労検マークがないと使用できない危険場所で、回転数を見ながら使用できるのはありがたい。”(化学メーカー様)
“エア式撹拌機より使いやすく、今までと同じ操作とスペースで作業が出来ています。導入にあたりエア式撹拌機はエア消費量が大きく、導入費用面でHEIDONの防爆撹拌機が有利だった。防爆撹拌機を探していたが、ここまでコンパクトな電気式耐圧防爆型はなかった。”(自動車塗料メーカー様)
1952年創業のHEIDONは、小型撹拌機の老舗で業界のトップランナーです。
実験室での撹拌に関わるあらゆる悩みについて、顧客に寄り添って解決していきます。