防爆エリアとは、可燃性ガスや粉じん等が電気火花や点火源にふれると爆発を起こしてしまう危険場所のことで、そのような危険場所で使用する電気機器には、爆発しない配慮を必要があります。
この記事では、その防爆エリアの詳細と、防爆エリアに対応する撹拌機について解説していきます。
危険場所の定義
危険場所とは、以下2つの条件のどちらかを満たす場所のことです
・引火点が40℃未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所
・引火点が40℃以上の危険物であっても、引火点以上の状態で貯蔵・取扱う場所
この危険場所は、さらに4つの場所に分類されます。
危険場所の分類:ゾーン0
ゾーン0は、特別危険箇所と呼ばれる場所です。 具体的には、爆発性雰囲気が通常の状態において、連続してまたは長時間持続して、または頻繁に存在する箇所と定義されています。
例えば、以下のような場所がゾーン0に該当します。
・危険な物質の入った容器、タンクの内部等
・ガソリンの入ったタンクローリー車や貯蔵タンク
危険場所の分類:ゾーン1
ゾーン1は、第一類危険箇所と呼ばれる場所です。 具体的には、通常の状態において、爆発性雰囲気がしばしば発生する可能性がある箇所と定義されています。
例えば、以下のような場所がゾーン1に該当します。
・ガスなどが集積して、爆発の可能性がある場所
・修繕や保守の際に爆発性ガスが漏洩集積するところ
・タンクローリー車の給油口付近
ゾーン0に比べると、多くの場所にあります。
危険場所の分類:ゾーン2
ゾーン2は、第二種類危険箇所と呼ばれる場所です。 具体的には、通常の状態において、爆発性雰囲気を生成するおそれが少ない、または時間が短い箇所と定義されています。
例えば、以下のような場所がゾーン2に該当します。
・容器や設備が事故のため破損したり、操作を誤って爆発性ガスが漏出したりするおそれのある箇所
・タンクローリー車周辺
・ゾーン1に隣接する部屋
危険場所分類:ゾーン20~22
ゾーン20~22は、可燃性粉じん場所、爆発性粉じん場所など粉じん爆発が発生する可能性のある場所です。
防爆構造の種類
こうした防爆エリア(危険場所)に対する安全配慮として、様々な防爆構造があります。 ここでは、4つ防爆構造を解説していきます。
本質安全防爆構造
本質安全防爆構造とは、正常時でも故障時でもガスに点火しないようにした防爆構造のことです。
ゾーン0で唯一使用できる構造です。
耐圧防爆構造
耐圧防爆構造とは、内部で爆発が起こっても、圧力に耐え、外に引火しない防爆構造のことです。
ゾーン1、ゾーン2で使用できる構造です。
耐圧防爆撹拌機は、この耐圧防爆構造を採用しています。
内圧防爆構造
内圧防爆構造とは、不活性ガス等を注入して内圧を保ち外部ガスの侵入を防止した防爆構造のことです。
制御盤によく見られる構造で、ゾーン1、ゾーン2で使用できる構造です。
安全増防爆構造
安全増防爆構造とは、正常の場合は着火源にならない防爆構造のことです。
ゾーン2で使用できる構造です。
防爆エリアで使用できる撹拌機
これまで防爆エリア(ゾーン1、ゾーン2)で小型撹拌機を使用する場合、以下2つの手段がありました。
・エアモータ撹拌機
・防爆対応した汎用大型電気モータを使用した特注の撹拌機
これらは、いずれも追加設備を必要としたり、部品の特注を必要としたりするなど、導入に手間もかかりましたし、導入費用も80~100万円と非常に高価なものでした。
だからといって、通常の小型撹拌機を使うのは、法令上のリスクもあります。
特に近年は、消防の指摘も厳しく、通常の小型撹拌機を使用しているままだと違法と見なされて、最悪の場合は業務停止になるケースもあります。
そこで、第三の解決策と登場したのが、防爆対応した小型電気モータを使用した耐圧防爆撹拌機です。
防爆撹拌機は、汎用タイプの小型撹拌機と同じサイズなのに、防爆対応しているので、1台で防爆エリアでもこれまでどおり小型撹拌機を使用することができます。 しかも導入費用は約50万円と、従来の解決策よりも安価に導入できることが魅力です。
1952年創業のHEIDONは、小型撹拌機の老舗で業界のトップランナーです。
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