トライボロジーとは?【試験方法・測定可能な装置を紹介】

摩擦・摩耗の分野でよく出てくるキーワードの1つとして、トライボロジーが挙げられます。

今回はトライボロジーについて詳細を解説し、試験方法や試験機についてもご紹介していきます。

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トライボロジーとは?

滑り摩擦を表すときの代表的な特性が滑り摩擦力です。滑り摩擦力とは、滑り摩擦を起こした物体に働トライボロジーとは、摩擦、摩耗、潤滑などの表面現象を研究する学問のことです。物体が接触する際に発生する摩擦力、摩耗のメカニズム、そして摩擦を減らすための潤滑方法を明らかにすることを目的としています。トライボロジーの研究により、機械や構造物の寿命を延ばしたり、効率を向上させたりすることが可能となります。

摩擦と摩耗の基本

摩擦とは、物体が接触しながら滑るときに生じる抵抗力のことです。たとえば、私たちは靴底と地面の間の摩擦を抵抗力として歩いています。一方で、摩耗とは接触している物体が擦り減る現象のことです。車のタイヤが徐々に摩耗していくのはその一例です。トライボロジーでは、この摩擦と摩耗を適切にコントロールして、機械工学、材料工学、化学など多岐にわたる分野に役立てられています。

トライボロジーの具体例

トライボロジーの具体例として挙げられるのが、車のエンジンや機械のギアなど、多くの機械部品が接触しながら動く装置です。その際の摩擦を減らすことで、エネルギー効率が向上し、部品の摩耗を抑えられます。たとえば、エンジンオイルやグリースなどの潤滑剤を使用することで、摩擦を大幅に減らし、部品の寿命を延ばせます。こうしたトライボロジーの研究の中から、新しい潤滑剤の開発や摩耗に強い材料の発見が進んでいるのです。これにより、機械のメンテナンス頻度が減り、結果的にコスト削減にもつながっています。

トライボロジー試験とは?

トライボロジー試験とは、摩擦、摩耗、潤滑に関する特性を評価するための試験です。これにより、材料や潤滑剤の性能を確認し、実際の使用条件下での挙動を予測できます。たとえば、エンジンの部品がどの程度の摩擦でどのくらい摩耗するかを実験によって知ることで、寿命や効率を向上させるヒントが得られます。

トライボロジー試験がトライボロジー試験では、摩擦係数の測定、摩耗量の評価、潤滑剤の効果などを定量的に評価します。トライボロジー試験にはいくつかの方法がありますが、代表的なものには以下のようなものがあります:

ピン・オン・ディスク試験

回転するディスクにピンを押し付けて摩擦と摩耗を測定する方法です。たとえば、自動車のブレーキディスクとパッドの摩耗をシミュレーションできます。

ピン・オン・プレート試験

往復運動をしているプレート状の物体の表面でピンを用いて摩擦・摩耗させる方法です。硬質膜や潤滑膜の強度の測定などで用いられます。ピンの代わりにボールを用いる「ボールオンプレート」や、ピンの代わりにリングを用いる「リングオンプレート」などもあります。

トライボロジー試験ができる摩擦摩耗試験機は?

ここからは、トライボロジー試験ができる摩擦摩耗試験機を紹介していきます。先ほど紹介した

ピン・オン・ディスク試験やピン・オン・プレート試験を実施できるのが、「回転ドラム/往復摺動運動併用摩擦磨耗試験機TYPE:34」です。

TYPE:34には、以下の特徴があります。

  • 1台で2つの試験を実現:TYPE:34は、1台で往復摺動試験と回転ドラム試験の両方ができる装置です。これにより、感光ドラムや給紙ローラーの試験を実際の使用状況と同じ条件で実施可能です。また、紙や板状のサンプルに対しては、直線往復摺動の試験が可能です。
  • 2つの加重方法による精密試験:TYPE:34は、実績のある分銅による加重方法に加え、回転ドラム試験に適した荷重変換器による押し付け方式にも対応しています。この2つの加重方法により、試験条件に合わせた精密な摩耗評価が可能です。また、変動する押し付け荷重をモニタリングすることで、リアルタイムでのデータ収集が可能になり、試験結果の信頼性が向上します。
  • 簡単操作で自動化された動作:TYPE:34は、回転ドラム試験から往復摺動試験への切り替えが簡単に行える親切設計です。さらに、指定回数や指定摩擦力に達したときには自動停止する機能も搭載しており、摩耗試験の操作が非常に簡単です。これにより、試験の効率が大幅に向上し、ユーザーの負担が軽減されます。
  • 幅広い試験条件に対応可能:TYPE:34は、幅広いテーブル移動速度(30~6000mm/min)と距離(1~100mm)に対応し、さまざまな試験条件に適応します。ドラム・ローラーのサイズもφ10~90mmまで対応可能で、専用のチャッキング治具を使用することで固定方法を柔軟に変更可能です。また、摩擦力の測定はX、Y、Zの3方向で実施可能で、それぞれ最大9.8Nまで測定できます。さらに、垂直荷重は1~1000gまで対応し、詳細な荷重制御が可能です。
  • 充実した付属品とオプション:TYPE:34には、試験に必要な固定治具やボールホルダ、ブレードホルダ、加重用分銅などの付属品が充実しています。また、汎用摩擦力解析ソフト(トライボソフト)やX、Y、Z摩擦力モニター用3chソフトといったデータ解析用のオプションも提供しているので、試験データの詳細な解析が可能です。

TYPE:34の詳細はこちら

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